最近、「潜在看護師」という言葉をよく耳にします。資格を持ちながら現場を離れた看護師が増え、現場では慢性的な人手不足が続いています。
なぜそうなるのでしょうか。私はこう思っています。「看護師という国家資格に、誇りを持てなくなってきているからではないか」と。
看護師のイメージといえば「白衣の天使」。献身的で優しく、給料も安定している職業。そのイメージに憧れて、あるいは安定した職業として選んだ方も多いのではないでしょうか。かくいう私も「安定した職業」という理由で看護師を目指したひとりです。
今回は、30年の看護師経験を元に、看護師という仕事の「良いこと・悪いこと」を正直にまとめてみました。辞めたいと思っている方に、少し違う視点をお届けします。
毎日「もう辞めたい、でも資格を捨てるのはもったいない…」と、逃げ道のない暗闇のなかで悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
この記事を読めば、あなたが過酷な現場で自然と身につけてきた「本当の強み」に気づき、病院にしがみつかなくても自分らしく輝ける新しい選択肢が見えてきます。
国家資格という重荷に潰されそうなあなたが、一度肩の荷を下ろして、「自分らしいこれからの人生」をのびのびと歩き出すためのヒントとして、ぜひ最後までご覧ください。
なぜ「他の仕事がしたい」と思ってしまうのか?
看護師になってから、他職種の方や医療以外の仕事経験がある方の話を聞いて、羨ましいと感じたことが何度かありました。
なぜそう思ったのか、自分なりに分析してみると、「責任の重さ」の違いを感じていたからではないかと思います。
看護師のミスは、患者さんの命に直結することがあります。だから確認を何重にも行う。それでもミスは起きる。そのたびに押し寄せる罪悪感、「自分には無理なのでは」という焦り、「次こそ絶対に確認する」という気持ちの立て直し——その繰り返しです。
忙しさが続くうち、じわじわと疲弊していく。そんなタイミングで聞こえてくる「外の世界」の話が、キラキラして見えてしまうのは無理のないことだと思います。
「看護師しかできない」という思い込みを外してみる
「看護師を辞めたとしても、他の仕事なんてできないんじゃないか」。そう感じたことはないでしょうか。
後輩が結婚を機に職場を辞めるとき、「看護師以外の仕事が不安」と相談してきたことがあります。当時の私も病院勤務しか経験がなかったため、「そうだよね、不安だよね」としか言えませんでした。
でも今なら、こう伝えられます。
看護師は、患者さんが最良の治療を受けられるよう、多角的な視点で状況を判断し、適切なケアを選択し続けています。常にアセスメントし、実行する力を持っているのです。それはどんな職場に行っても、どんな業種でも、必ず活きるスキルです。
「同じ環境でしか働いたことがない」という事実が自信を失わせるのかもしれませんが、その環境で磨いてきた力は、想像以上に汎用性があります。
20年目の転職で知った「やってみたら、意外とできた」という事実
私自身、20年間同じ病院で働き続けた後、訪問看護という全く異なる環境に転職しました。
「一人で判断して動けるだろうか」「仕組みを理解できるだろうか」と、不安だらけのスタートでした。先輩に同行しながら訪問を重ねても、最初のうちは「なぜそうするのか」が腑に落ちず、焦りもありました。
ところが、少しずつ仕組みがわかってくると、対応できることがどんどん増えていきました。わからないことは聞けばいい。わかっている人がいる職場なのだから、当然のことです。
1ヶ月が過ぎる頃には、「一人で訪問に行ってみて」と言われるくらいには動けるようになっていました。
看護師として培ってきた「わからなければ聞く、調べる、確認する」という姿勢は、どの職場でも通用します。やってみると、意外とできてしまうものです。
これからは「誰かのため」だけでなく「自分のため」にも考えよう
30年看護師を続けた今、思うことがあります。「医療業界という世界で、ずっと生きてきたな」ということです。
医療の現場では、常に「患者さんのためにどうすべきか」を考え続けます。それは大切なことですが、気づけば自分のことは後回しになりがちです。
世の中にはもっと色々な世界があり、色々な考え方を持つ人がいる——そのことを、最近になってようやく実感しています。
「誰かのために考える」を「自分のことも考える」へ少しだけシフトすること。疲れ果ててしまう前に最良の選択をするために、それはとても大切なことではないかと思います。
まとめ
看護師の良いところは、多角的に状況を判断するアセスメント能力が自然と身についていること。どんな職場でも応用できる、本物のスキルです。
一方で悪いところは、「他者のために」という意識が強すぎるあまり、自分のことを後回しにしてしまいやすいところ。
もし今、看護師を辞めたいと思っているなら——辞めることだけが選択肢ではないかもしれません。働く環境を変えるだけで、気持ちが大きく変わることもあります。
30年間この世界にいた私だからこそ、今、悩んでいるあなたに伝えたいです。国家資格という重荷はいちど下ろして大丈夫。これからは他人のためだけでなく、あなた自身の幸せのために、あなたらしい人生をのびのびと歩き出してみませんか?
他者のためにという意識を置いて、自分のための働き方も考えていきたいですよね。拘束時間が長い働き方しかないのかな?正社員じゃないと不安かな?と悩んで社会保険料を比較してみた記事になります。こちらも参考にどうぞ。



新着記事