「サーちゃん」という呼び名との出会い
先日、同僚と子供の話をしていたとき、こんな話を聞きました。
同僚の義母さんのことを、孫が**「サーちゃん」**と呼んでいるというんです。「ばぁばじゃないの?」と聞くと、「ばぁばとは呼ばれたくないんだって」と。
なぜだろう?おばあちゃんになったことを認めたくないのかな?
そういえば、親戚にも似たような方がいました。孫だけでなく、親戚みんなに「みつさん」と呼ぶよう自分から伝えていた方です。理由を聞いたら「そう呼んでほしいから」とシンプルな答えが返ってきました。
「おばさん」と呼ばれた、あの頃の自分
実は私にも、似たような経験があります。
20〜30代の頃、近所の子どもたちに「おばさん」と呼ばれることにずっと抵抗がありました。「まだおばさんじゃないし!」という感覚、なんとなく覚えていませんか?
あれは、自分が思い描く自己イメージと、呼ばれ方の間にズレが生じたときに起きる感情だったんだと、今ならわかります。
では、「ばぁばとは呼ばれたくない」という気持ちの奥には、どんな心理が隠れているのでしょうか。
「ばぁば」と呼ばれたくない、3つの心理
① おばあちゃん=老人という記号への抵抗感(自己概念)
「私はまだ”ばぁば”という存在じゃない」
そう感じる背景には、自分が持っているセルフイメージと、社会的なラベルのズレがあります。自分の中では「まだまだ現役」なのに、呼び名だけが先走ってしまうような感覚です。
② 自分の名前(アイデンティティ)を失う寂しさ(社会的アイデンティティ)
「ばぁば」という呼び方は、単なる愛称ではなく、社会的な役割のカテゴリーに入ることを意味します。「年を取った人」「子育てを終えた人」「若者ではない人」——そんなイメージを一緒に背負うような感覚があり、それを拒んでいるのかもしれません。
③ 「まだ若く、現役でいたい」(ラベリング理論)
人は貼られたラベルに影響される、という考え方があります。「ばぁば」という言葉そのものというより、その言葉が連れてくるイメージに抵抗を感じているケースも多いのではないでしょうか。
実年齢70歳でも「私は50代くらいの感覚」という方もいれば、50代でも「もう年寄りだな」と感じる方もいます。人は平均して、実年齢よりも若く感じる傾向があるそうです。
「ばぁば」と呼ばれたくないのは、孫が可愛くないからじゃない。 祖母という言葉と、自分のセルフイメージのあいだにズレが生じているだけなんです。
おすすめの呼び方アイデア
呼び方は変わっても、愛情は変わらない。それなら、自分らしい呼ばれ方を選んでもいいんじゃないかなと思います。
名前をもじった呼び方(例:〇〇ちゃん、〇〇さん) 一番自然で定着しやすい方法です。「サーちゃん」「みつさん」もこのパターンですね。
海外風の呼び方(例:グランマ、ミーマ、ナナ) おしゃれで軽やかな響きが魅力。「おばあちゃん」のイメージを一切持たないので、抵抗なく受け入れられる方も多いようです。
「おばあちゃん」をもじった呼び方(例:あーちゃん、あばちゃん) 親しみやすさと可愛らしさのバランスが絶妙。小さな子どもにも発音しやすいのがポイントです。
角を立てずに「別の呼び方」を定着させるコツ
一番スムーズなのは、先手を打つことです。
子どもが妊娠中〜赤ちゃんのうちに、希望の呼び方を伝えておく。または、子どもが結婚して相手を紹介されたとき、「お母さんじゃなくて、〇〇って呼んでね」と最初から伝えておく。
そうすることで、孫が生まれたときには自然とその呼び名で定着していきます。あとから変えようとするより、ずっとハードルが低いのでおすすめです。
おわりに
「ばぁば」と呼ばれたくない気持ちは、孫が可愛くないからじゃない。
自分らしく、素敵な女性であり続けたいというポジティブな心理であり、しっかりとした自己イメージを持ちながら人生を歩んでいる方ほど感じやすいことなのかもしれません。
呼び方は変わっても、愛情は変わらない。 自分が心地よく呼ばれる名前で、大切な孫との時間を楽しんでほしいなと思います。


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