「通販カタログって見ないのに、なぜ毎月送られてくるんだろう?」
実際、届いてもすぐ捨ててしまう人は少なくありません。
それでも企業が発送を続けるのは、意外と合理的な理由があるからです。
そんな疑問から、「なぜ企業はカタログを送り続けるのか」を調べてみました。
結論から言うと、カタログは少数の購入者が出るだけで十分利益が出るためです。
企業がカタログを送り続ける3つの理由
紙のカタログは「売上の起点」として強い
- 手元に残るので、ふとしたときに思い出してもらえる
- パラパラめくるだけで商品との偶然の出会いが生まれる
- 高齢層には特に効果が高い
- ついで買いを誘発しやすい
実際に、カタログを送ると送らないときより注文率が上がるというデータもあります。
「たまに買う人」が利益を支えている
顧客は大きく3タイプに分かれます。
| タイプ | 特徴 |
|---|---|
| ヘビーユーザー | よく買う |
| ライトユーザー | たまに買う(大多数) |
| 休眠ユーザー | ほぼ買わない |
ライトユーザーがたまに買ってくれるだけで、十分元が取れる計算になっています。
カタログのコストは意外と安い
大量印刷・郵便契約によってコストはかなり抑えられています。業界によって異なりますが
- 印刷費:1冊あたり30〜80円
- 送料:20〜60円
- 合計:50〜140円程度
1回の注文で数千円〜数万円の利益が出るため、100人に送って1人が買えば黒字が成立します。
99人が捨てても成立するビジネスモデル
「送ったカタログの約9割は、中身を読まれずにそのまま捨てられている」と言われています。しかし、企業はこれを決して「大赤字の損失」とは捉えていません。なぜなら、通販の仕組みは「最初から99人に捨てられることを織り込み済み」で設計されているからです。
分かりやすく、100人にカタログを送った場合のコストと利益を具体的な数値でシミュレーションしてみましょう。
- 【かかるコスト】
カタログ1冊のコスト(印刷・送料)を80円とします。
80円 × 100人 = 総コスト:8,000円 - 【生まれる利益】
100人中、たった「1人」だけがカタログを見て、客単価15,000円の商品を購入してくれたとします。通販業界の平均的な粗利率を約60%と仮定すると、企業に入る利益(粗利)は次のようになります。
15,000円 × 60% = 生まれる利益:9,000円
結果:たった1人の購入で「1,000円の黒字」が成立!
- 利益(9,000円) - コスト(8,000円) = +1,000円の利益
このように、客単価や粗利率がしっかりと計算されているため、99人に捨てられても、購入してくれた「たった1人のお得意様(ライトユーザー)」が購入してくれるだけで、送付コストを完全に回収して利益が出る仕組みが成り立っているのです。
最近は「送る人」をAIで選別している
かつては「誰にでも大量に送る」のが主流だった通販カタログですが、現在は環境や資源への配慮(ペーパーレス化やエコ意識の高まり)、そしてコスト削減の観点から、企業側も「本当に必要な人にだけ届ける」という賢い方向に大きくシフトしています。
その裏側では、最新のAI技術や「RFM分析」と呼ばれる高度な顧客データ分析がフル活用されています。具体的には、以下のような仕組みで送る人を選別しているのです。
- 「RFM分析」によるスコアリング
- Recency(直近でいつ買ったか)
- Frequency(どれくらいの頻度で買うか)
- Monetary(いくら使ってくれたか)
この3つの視点から顧客を点数化し、カタログを送る価値のある「優良な顧客」を自動で割り出します。
- 興味に合わせた「送り分け」
- 顧客ごとに「衣類に興味があるのか」「インテリアに興味があるのか」を過去の履歴から判定し、その人が一番ワクワクするカテゴリのカタログだけを届けます。
- 見切り(リスト除外)と復活の仕組み
- カタログを何度か送っても注文が全くない場合は、一度自動で送付リストから除外されます。
- ただし、しばらく買ってない「休眠顧客」に対しては、ただのカタログではなく「特別クーポン付きの復活キャンペーン版」を限定で送るなど、メリハリをつけたアプローチを行います。
「買わなければ無駄にならない」は本当?3年間のタイムラグという盲点
「どうせ読まずに捨てるんだから、私が買わなくても、企業が勝手にコストを使っているだけで実質的には無駄にならないのでは?」
そう思う方も多いかもしれません。しかし、ここには「自動停止されるまでのタイムラグ」という大きな盲点があります。
先ほど、AIやデータ分析(RFM分析)で「購入がない人は自動でリストから除外される」とお話ししましたが、実はこの除外の判断は、1〜2回買わなかったからといってすぐに適用されるわけではありません。多くの企業では、以下のように段階的に判断を行っています。
- 最初の1年:まだ戻ってくる可能性がある「ライト顧客」として毎月発送
- 2年目:季節ごとの大型カタログのみに絞って発送
- 3年目:完全に購入がないことを確認し、ようやく発送を自動停止
つまり、あなたが「もういらない」と思ってから、実際に送付が止まるまでに最長で3年以上ものタイムラグが発生するケースがあるのです。その間、読まれない紙のカタログが刷られ、運ばれ、そのままゴミ箱へ行くという「資源の無駄遣い」がバックグラウンドでずっと続いてしまいます。
だからこそ、「買わないから放っておけばいい」ではなく、不要だと感じた時点で読者側から「いりません」と意思表示をすることが、環境にとっても非常に大切な一歩になるのです。
通販カタログを止める方法
もし手元に「もう読む予定がない」というカタログが届いているなら、一番確実でシンプルな方法は企業に直接「送付停止」を連絡することです。
手続き方法は大きく分けて2つあります。申し込む際は、カタログの宛名シールに記載されている「お客様番号(会員番号)」を手元に用意しておくと、手続きが非常にスムーズに進みます。
- 方法①:カスタマーセンターへ電話する
- オペレーターや自動音声の指示に従って、「カタログの発送を止めてほしい」と伝えるだけで完了します。
- 方法②:公式Webサイト(マイページ・お問い合わせフォーム)から手続きする
- スマホやパソコンから、24時間いつでも自分のタイミングで手続きが可能です。
💡 【大手4社】主な通販カタログの具体的な送付停止方法一覧
多くの人が利用している大手通販会社4社の、最新の停止手続きの窓口をまとめました。
主な通販カタログの停止方法
- ニッセン:ニッセン お問合せフォームから申し込むか、専用ダイヤルへ電話することで手続きが可能
- ベルーナ:公式サイトのマイページ(要ログイン)から簡単に停止手続きが可能。ログイン後、「メルマガ・SMS通知・カタログDMの購読・停止」画面から「全て解除」を選択。
- フェリシモ:公式サイトのお問い合わせフォームから停止可能。
- ディノス:「インターネット(マイページ)」または「電話」から手続き可能。
※手続き方法は変更される場合があります。最新情報は各社公式サイトをご確認ください。
注意:手続き後も「1〜2回」は届くことがあります
送付停止の手続きをしても、「すでに対象のカタログが発送準備に入ってしまっている場合」は、タイムラグで1〜2回ほど届いてしまうことがあります。「手続きが失敗したのかな?」と焦らず、数週間ほど様子を見てみましょう。
おわりに
「毎月届くけれど、結局見ないで捨てるのが続くな」と感じている方は、ぜひこの機会に一歩を踏み出して送付停止を申し込んでみませんか?
ほんの数分、電話やWebで手続きをするだけで、毎月の「また捨てなきゃ」という小さなストレスがなくなり、同時に大切な地球の資源節約にも貢献することができます。
自分にとっても、環境にとっても心地いい「すっきりとした暮らし」を、ぜひ今日から一緒に始めてみましょう。


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