近年、芸能活動のみならず実業家や社会貢献活動でも注目を集めるタレントの紗栄子さん。彼女の活動の中でも特に大きな関心を集めているのが、馬をはじめとする動物愛護活動です。 紗栄子さんの愛馬が亡くなったニュースから、虐待疑惑の馬を保護したニュースが蘇りました。
SNSで拡散された仔馬の不適切(虐待疑惑)動画に、心を痛めた方も多いのではないでしょうか。 多くの人が言葉だけで終わる中、タレントの紗栄子さんは瞬時に現地へ向かい、その親子馬を保護目的で購入しました。今回は、彼女がなぜこれほど圧倒的な行動力を起こせるのか、その原点である牧場経営の経緯とともに、彼女の「本物の動物愛」を紐解きます。
1. 2026年3月:SNSの声を即行動に。虐待疑惑の仔馬をスピード保護
北海道の生産牧場で起きた、仔馬への不適切な「躾(しつけ)」動画が炎上。 紗栄子さんはファンからのDMをきっかけに、深夜に即断。実際に現地へ赴き、自身のInstagramや公式YouTubeチャンネルで親子馬を保護したことを報告されました。一刻も早く安全な場所に移動させたいという強い思いが原動力になったと語られています。 保護した2月14日産まれの仔馬に「バレンタイン」と名付け、家族として迎え入れています。 口で言うのは簡単ですが、保護にかかる多額の資金や責任を背負い、すぐ現地に駆けつける行動力には言葉を失うほどの感動を覚えました。
2. なぜそこまで動けるのか?「NASU FARM VILLAGE」経営の経緯
こうした迅速な保護活動の基盤となっているのが、紗栄子さんが代表を務める会社で運営している栃木県大田原市の牧場「NASU FARM VILLAGE(旧:アイランドホースリゾート那須)」です。 彼女が未経験から牧場経営に乗り出した背景には、19頭の馬たちの命の危機がありました。
① 19頭の殺処分危機と直面
2020年、当時一人の客として訪れていたお気に入りの牧場が、経営難から閉鎖の危機に瀕していることを知ります。牧場がなくなれば、そこで働くスタッフが雇用を失うだけでなく、当時飼育されていた19頭の馬たちが行き場を失い、殺処分される可能性が生じるという厳しい現実がありました。
② 「自分がやるしかない」と栃木へ移住
「誰かが守らなければ、人間の都合で命が失われてしまう」と考えた紗栄子さんは、周囲の反対を押し切って経営を引き受けることを決意。言葉だけでなく、自らの住民票と生活の基盤を栃木県大田原市へと移し、現場へ深く飛び込みました。
③ クラウドファンディングで7,600万円を調達
運営資金や馬たちの保護環境を整えるため、クラウドファンディングを実施。当初の目標金額1,500万円を大きく上回る「7,600万円(目標の5倍以上)」の支援を集め、多くの人々の想いを巻き込みながら牧場を再生させました。
3. 馬たちの「セカンドライフ」と持続可能な仕組みづくり
紗栄子さんが牧場経営で目指しているのは、単なる観光牧場ではなく、「殺処分となる馬たちのセカンドライフを築くこと」です。
- 保護馬のセカンドライフ:現役を引退した競走馬や行き場をなくした馬を引き取り、穏やかな環境でもう一度人間との信頼関係を築ける場所を提供しています。
- 活動の多角化:馬の保護にとどまらず、現在はファームを拠点として周辺地域での保護猫活動(計100匹以上のレスキュー)なども本格化させています。
- ビジネスとしての自立:芸能人としての発信力を活かした公式オンラインストアでのオリジナルグッズ販売や、観光、ふるさと納税などを通して、持続可能な愛護活動のビジネスモデルを構築しています。
4. 愛馬「カッサンドロ」の急逝と、命を預かることの責任
保護活動を通して多くの命を救う一方で、紗栄子さんは「命を見送る」という厳しい現実とも常に向き合い続けています。 2026年6月2日、紗栄子さんは自身のInstagramにて、牧場で共に暮らしていた愛馬「カッサンドロ」が天国へと旅立ったことを報告しました。 カッサンドロは亡くなる4日前から、馬にとって命取りになりかねない腹痛を伴う病気「疝痛(せんつう)」を引き起こしており、懸命な治療を続けていたものの、突然の別れとなってしまったと言います。
紗栄子さんは過去にも、皮膚がんを患っていたリーガル、右前脚を骨折したボルト、高齢のロカッシュなど、多くの愛馬の看取りを経験してきました。どれほど手を尽くしても、いつかは訪れてしまう命の終わり。 カッサンドロの最期を「最期までお母さん孝行な子でした」と振り返る彼女の言葉からは、単に「可愛い動物を保護する」だけでなく、病気や怪我、そして訪れる死までをすべて受け入れるという、命を預かる者としての覚悟の重さが伝わってきます。
まとめ
紗栄子さんが見せる圧倒的な行動力は、突発的な思いつきではなく、2020年から自らの生活を賭けて続けてきた「命を守る活動」の延長線上にあります。 私は看護師という立場であり、同じ命を守る活動家の1人として、紗栄子さんのこの行動力に深く感動を覚えました。
客の立場から牧場経営者となり、19頭の命を救った原点があるからこそ、2026年3月の仔馬の危機に対しても即座の保護が可能となりました。そして、2026年6月のカッサンドロとの別れのような悲しみと向き合いながらも、彼女は歩みを止めることなく動物たちの砦であり続けています。

