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新人・後輩育成

なぜ人は労いの言葉を求めるのか?訪問看護で気づいた「まず受け止める」大切さ

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暑い日が続いています。訪問看護では、こんな高温の中でも変わらず患者さんの元へ向かいます。

先日、経験のある新人さんと同行した日、その後の管理者とのやり取りで、なぜか心にモヤモヤが残りました。振り返ってみると、そこには自分でも意外な気づきがありました。

この記事では、そのモヤモヤの正体と、コミュニケーションにおいて「まず受け止める」ことの大切さについてシェアします。上司、同僚、患者さんやご家族――誰との会話にも応用できる内容なので、参考にしてみてください。

ある日の出来事

訪問経験のある新人さんとの同行が組まれていました。日中の気温は30度超え。

同じ環境でルートをこなしても、新人さんと私とでは事情が違います。新人さんは慣れない環境、覚えることだらけの中で、慣れない患者さんに一件ずつ対応していました。

それなのに翌日から、一回同行しただけで7件を1人で回るルートが組まれていたのです。

私は管理者にこう相談しました。

「新人さん、経験はあるけど、一気に情報を詰め込んで次の日から1人での訪問は厳しいと思います」
「この過酷な状況の中で一気に何人分もの情報を覚えるのも大変ですし、少し配慮が必要だと思います」

すると「どんな部分が無理そうですか? 具体的にどこなら大丈夫ですか?」と返事があり、ルートは調整されました。

問題は解決したはずなのに、なぜか私の中にはモヤモヤだけが残りました。

なぜモヤモヤしたのか?

その日は朝からカツカツのルートで時間に追われ、気温は30度超え。体力を削られながら、頭もぼーっとする中でのバタバタの訪問でした。

新人さんのルート調整を相談した際、私はこうも伝えていました。

「ルートに慣れている私でも頭がぼーっとするくらい大変だったので、新人さんはもっとキツかったと思います」

それに対して返ってきたのは、「取れるところで、しっかり休憩をとってください」という言葉。

これでも、私のモヤモヤは晴れませんでした。

考えてみて気づいたのは、自分が「大変でしたね、無理しないで、できる範囲で」といった労いの言葉を期待していたということでした。

気づいたこと

最初は新人さんへの配慮を伝えたかっただけのはずでした。でも同時に、この暑さの中で自分自身も大変だったことを分かってもらい、これからも頑張っていくために労ってほしかったのだと思います。

今まで、誰かに労ってもらいたいと思うことはあまりありませんでした。だからこそ「なぜ今回はこんなことを望んだんだろう?」と不思議に感じました。

労いの言葉をもらったところで、仕事量が減るわけでも、暑さが和らぐわけでもありません。それでも「あー、分かってくれてるな。よし、倒れないようにまた頑張ろう」と思えたはずです。

相手にその言葉を言わせたかったわけではありません。ただ、大変さをちゃんと理解してもらえたという感覚を味わいたかったのだと思います。

そこで、もう一つ気づいたことがありました。私は普段、人の相談を聞くとき「こう対策したら?」「どうしたら解決できるかな?」と、つい解決策を考えがちです。

でも今回、自分が相談する側になって初めて分かりました。

解決策の前に、まず受け止めてもらいたかった。

「まず受け止める」は心理学でも裏付けられていた

後から調べてみると、この「まず受け止める」という姿勢は、心理学で「積極的傾聴(アクティブリスニング)」と呼ばれるコミュニケーション技法だと知りました。

相手の話を聞きながらすぐに解決策を考えるのではなく、まず相手の気持ちを受け止め、理解しようとすることが、信頼関係を築く第一歩なのだそうです。

自分の実体験からたどり着いた気づきが、すでに名前のついた技法だったと知り、なんだか腑に落ちる感覚がありました。

まとめ:誰との会話にも使える4つのステップ

今回の経験から、コミュニケーションに共通するプロセスをまとめてみました。

  1. 事実を聞く「そんなことがあったんだね」
  2. 気持ちを受け止める「それは大変だったね」「悔しかったね」「不安だったんだね」
  3. 相手が何を求めているか確かめる「話を聞いてほしかった?」「一緒に考えようか?」「何か意見がほしい?」
  4. 必要なら解決策を一緒に考える

今回の出来事は、管理者が悪かったという話ではありません。むしろ、自分自身の伝え方や期待の持ち方を振り返るきっかけになりました。

そして何より、「まず相手の気持ちを受け止める」という一言の大切さを、自分が受け止めてもらえなかった経験から学びました。

これからは、患者さんやご家族、新人さん、同僚との会話でも、すぐに解決策を伝えるのではなく、まずは「それは大変でしたね」と言える自分でありたいと思います。

どんな関係性のコミュニケーションでも、この過程はきっと参考になるはずです。良好なコミュニケーションスキルの一つとして、ぜひ取り入れてみてください。

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